2015年10月30日金曜日

自立するということ / HOUSE INNER Introduction.

近頃はマンションの杭打ち工事の不祥事などが話題になっておりますが、そもそも相当な重さ、大きさ、高さのものを建てるというのはものすごいことだと思っています。
 良くも悪くも日本の建築の技術力や性能、システムについて改めて色々と考えてしまいます。

たとえば、クルマの荷室に枠を作って倒れないようにすることでさえ至難の業です。

ところで、みなさまはご存知でしょうか? 大きなお寺にある「鐘つき堂」、そのほとんどはただ置いてるだけなんだそうです!!しかし地震で倒れた、壊れたなどという話はほとんど聞きません。
よく見るとその柱部分は傾斜して設計されています。

実際に近くのお寺を見に行きました。
本当です。基礎石に載っているだけです。

なるほど!

この鐘つき堂のように柱が傾斜して開いているほうが安定しますよね?! 大工さんに聞いた
ところ・・重いものを吊ったり載せる場合のこの設計は私たちが普段使ている「椅子」にも使われ
ているそうです。(二方向にだけ広がっているタイプもありますが)広がっている方向には倒れに
くくなりますね♪
このほぼ垂直に見える脚も、スケールで測ってみるとした側が少し広がっていることがわかります。

たしかに!!

倒れにくいだけでなく、垂直方向にかかる力を横方向にも分散させる構造で、相当重たい鐘の
荷重がかかる柱がのっかても基礎石が割れる・・ということもないのです。

~そんな設計思想を参考に取り入れた「自立するフレーム」~


ハウスインナーは、趣味の部屋などをできるだけ自由に構成するために開発されたフレームです。
住宅で使用することをイメージしていますので当然、柱が垂直に立っている事が理想ですが前述の
通り、ストレスなく垂直に自立することは難しいのです。
 そこで、鐘つき堂の設計思想を参考に荷重がバランスよく分散し、強固に自立できるようにこの
角度がつけられています。

さらに、一人で簡単に組み立てる事を前提としているのでフレキシブルに可動できるよう
このようなカタチに設計されています。
 
床に倒した状態で組みつけた枠を一人で起こす事が可能です。
 部屋に入れることもイメージし柱のスパンはやはり、日本の住宅モジュールの910㎝に合わせて
あるのです。
 
長年にわたり構想してきただけあって、流石よく考えられています!
その他にも様々な工夫が盛り込まれているフレームは完成後は大人がぶら下がれるほどの強度があり、安心です。
次回「ハウスインナー」の、さらなるこだわりの設計ポイントについて紹介させていただきます♪
(トク2)
 

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